Yahooの検索エンジンがGoogleに変わってどんな影響があるのか




Yahoo-Google

Yahoo!Japanの検索エンジンが、米国Yahoo!のものからGoogleに切り替わりました。2010年12月末までに全面的に移行するとされていますが、12月頭の時点ですでに移行は完了しているようにみえます。これによっていったい何が変わったのか、何をすればいいのかを、サイト運営者、検索エンジン対策の視点から書いてみます。

まず、Yahoo!Japanの検索結果とGoogleの検索結果がどれだけ違っていたのかを、実際の順位の変化をグラフを見てみましょう。

ustream webcamera

これは”ustream webカメラ”で検索した際に、このサイトのページが何位に表示されたかを毎日記録しているグラフです。赤い線がYahoo!Japan、青い線がGoogleの順位を表しています。まったく同じページの順位がかなり違うことがおわかりいただけると思います。そして11月25日の時点でYahooの順位がGoogleと一致しはじめています。

あえて分かりやすいグラフを選んでいますのでアレですが、YahooとGoogleでこれほど違う理由はなにかというと、

1.Yahooは自社のカテゴリー登録をしているサイトをより上位に表示させる。これはYahoo!ビジネスエクスプレスというサービス(5万円)で売られているため、企業サイトが有利だった。Googleは以前はDmozというサイトにカテゴリー登録しているサイトを優遇していたが、おそらくいまは影響がない。

2.Yahooは他のサイトからリンクを多数受けているサイトをより上位に表示させる。とくにリンク元のサイトがYahoo!カテゴリに登録されていれば尚良し。このため数百サイトからリンクします、〇〇万円というサービスを利用した企業が有利だった。GoogleはもともとPage Rankという、リンクされている数によってサイトをランク分けする仕組みがあるが、以前ほどはっきりした影響はなくなっている。

3.Yahoo!はGoogleよりも検索エンジンスパム(裏技で上位に表示させるテクニック)への対応が進んでいない。このためSEOの専門業者に有料で依頼すれば簡単に順位を上げることが可能だった。

極端に分かりやすい点ではこのような違いがあったわけです。

なぜYahoo!JapanがGoogleに検索エンジンを変えたか、の理由についてはいろいろ大人の事情があるとおもいますので、詳しくは有名ブロガーさんの記事を読んでいただくとして、おおざっぱに言うとみんなが検索エンジンよりもツイッターやSNS、ブログなどの記事を信じるようになってきたので、これ以上独自の検索エンジン開発にお金をかけても仕方なくなった、ということだと思います。

結果として上のグラフのような大きな順位変動があったわけですが、順位が上がったサイトがあれば、当然下がったサイトがあります。これが当然アクセス数に影響をあたえるのですが、サイト運営者によっては夜も眠れないほどの大打撃を受けている可能性があります。

日本での検索エンジンのシェアは、Yahoo : Google だと2:3ぐらいかもしれませんが、オンラインショップや広告サイトにとっては、2:1ぐらいの体感があります。GoogleユーザーはITリテラシーが高いために広告をクリックせず、いきなり検索エンジンから探して買い物をすることもあまりありません。逆にYahooユーザーはニュースなどをチェックする主婦などが多いためか、広告のクリック率も買い物率も高いのです。

このため、Yahooの順位はオンラインショップの売上に直接的な影響がありました。検索結果の1ページ目と2ページ目では2倍ぐらいの売上差があります。3ページ目以降になるとほぼゼロになります。もちろん検索エンジンからの集客だけが全てではありませんので、これで売上が半減するわけではないですが、インパクトがあるのは確かです。逆にGoogleでは上位でもYahooでは下位だった企業は、突如両方で上位になるわけですからかなりの売上増になるでしょう。

このニーズを受けて、リンクを貼りまくるSEOの専門業者が大量発生し、いくつかの会社は上場を果たしました。これらの会社は成果型報酬という方式をとっていますので、Yahooの検索エンジンが変わったことでやはり何らか売上に影響がでるものと思われます。

では、SEO、いわゆる検索エンジン対策はまったく有効では無くなってしまうのかというと、そういうわけでもありません。SEOには内的SEOといってサイト内のコンテンツをチューニングする方法と、外的SEOといってリンクを増やす対策を取る方法があります。

外的SEOは、リンクを貼る際のアンカーテキストによってどのキーワードでそのサイトを上位に表示させるかを指定します。ひとつのリンクでは何も影響ありませんが、数百数千のリンクを貼れば影響がでます。極端な話、そのサイトに指定されたキーワードが無くても、リンク数さえ多ければ上位に表示することは可能です。

横道にそれますが、リンクを貼るだけで本当に上位表示が可能なのかと良く聞かれますので、有名な例を紹介しておきます。検索エンジンで「18歳未満」と検索してみてください。Yahoo!Japanが一位に表示されます。もちろんYahoo!Japanのトップページに18歳未満などとはどこにも書いてありません。これはアダルトサイトのトップページで、18歳以上 or 18歳未満というリンクがあり、18歳未満をクリックするとYahoo!Japanにリンクされているものが多数あるためです。

つまり、コンテンツが無くともリンクを多数はるだけで上位に表示することは、Googleでも可能です。しかし以前のYahooに比べると恐ろしく難しいです。Googleは自然に貼られたリンクと、恣意的に貼られたリンクを見分けます。今後は上位に表示するためには内的SEO、つまりきちんとコンテンツを充実させることが必要です。

もうひとつ、Googleの検索エンジンは、ツイッターやはてなブックマークなどのソーシャル系サービスの影響を強く受けます。多数RTされた記事や、ホッテントリに登った記事は急激に上位に表示されます。

まとめますと、日本の検索エンジンの9割がGoogleとなったことで、コンテンツが充実したサイト、古くから運営してリンクを集めているサイト、ソーシャルネットワーク上の有名人のサイトが有利となりました。

そしてこれはインチキが出来なくなったと同時に、素人が検索エンジンで上位になることをより難しくした、とも言えます。ソーシャルネットワークサービスでヒットを出せないことからも、やはりGoogleの時代は終わりかけているのかもしれません。