鬼怒川沿いに大きな旅館が軒を連ねる鬼怒川温泉。そこから鬼怒川源流部へさかのぼり、さらに支流となる湯西川沿いには、平家伝説が残る湯西川温泉があります。のどかな山間に茅葺屋根の民家が点在しており、源氏との戦いに敗れた平家の落ち武者が隠れ住んだという逸話が残る湯西川温泉。

1185年、壇ノ浦の戦いで源氏に敗れ、ちりぢりに各地へ逃げ延びていった平家。そのうち平忠実一行が逃げてきて、山仕事をしながら再起を図ったという湯西川温泉にも、様々な逸話が残っています。源氏の追手に見つからないよう、子供の節句に鯉のぼりは上げない、刻を告げる鶏は飼わないなど、長い間ここだけの風習が残っていたそうです。

しかし今では交通の便もかなり良くなり、落人伝説と温泉を楽しむ人たちが大勢訪れる秘湯となっています。平家落人伝説の残る山の秘湯湯西川温泉で、和の情緒と洗練された雰囲気を合わせ持つ温泉宿で肌がなめらかになる温泉や伝統の郷土料理を楽しみましょう。

また、冬の湯西川温泉といえば、かまくら祭りはぜひ見ておきたいイベントです。かまくらに灯りがともり、幻想的でロマンチックな景色が広がる、湯西川温泉の冬の風物詩です。茅葺き屋根と雪景色のどこか懐かしい風景が広がる、ひっそりとした湯西川温泉の平家落人集落も風情があり、雪が降るなかの露天風呂も最高です。

湯西川温泉へのアクセス

浅草からの直通特急スペーシアで鬼怒川温泉駅へ向かうのが一番早いと思います。新宿駅からのJRも乗り入れていますが、1日1本だけです。鬼怒川温泉駅からさらに野岩鉄道会津鬼怒川線で湯西川温泉駅へ。駅から温泉街までは離れているのでバスでの移動になります。湯西川温泉街へは、湯西川温泉駅から日光交通バスで30分ほどです。電車の到着後、10分以内でバスが出るようになっているので便利です。

鬼怒川温泉駅から湯西川温泉行きのバスに乗る方法もあります。鬼怒川温泉駅のバス乗り場では、湯西川温泉行きは2番のりばになります。電車で湯西川温泉駅に行き、バスに乗り換えるのと所要時間はさほど変わりないので、バス旅がお好きな方、乗り換えが面倒な方にはおすすめです。

茅葺き屋根の古民家に様々な施設がある 平家の里

湯西川温泉に残る平家落人伝説をもとに、落人たちが営んだ山村の生活を再現しているのが平家の里です。敷地内には、自然庭園を中心に9棟の茅葺き屋根の古民家が復元されています。各古民家では、湯西川で昔から盛んであった木杓子作りの実演が見られる調度営み処、入道姿の平清盛や一ノ谷の戦いに出陣する平敦盛などをジオラマで展示する床し処、栃餅やきび餅、おしるこなどが楽しめる茶屋風のかれいの館、湯西川産の農産物や木工品を販売するよろず賄い処などの施設になっています。

平家落人たちの生活を再現した 平家狩人村

源氏から逃れてきた平家が湯西川温泉にたどり着き、丸太で山小屋を組み立て、山を耕したり、狩人となったりして暮らしてきた昔の生活ぶりを紹介する施設です。木挽き小屋や村長の家、解体小屋などが並び、当時の集落の様子を再現しています。それぞれの小屋では、槍で熊に立ち向かう狩人や熊の解体作業風景などが、等身大の人形でリアルに展示されています。

絵巻など貴重な資料が保存されている 平家落人民族資料館

平家落人の末裔と伝えられる湯西川集落の家々に、長い間眠っていたという平家ゆかりの品々を展示している施設です。民家の部屋をそのまま使用している展示室は、日本刀、平家の紋所揚羽蝶の入った鎧や兜、馬具、着物や調度品といったものが置かれています。鎌倉時代初期の平治の乱を描いた「平治物語絵巻」や巻物に書かれた恋文などの貴重なものも展示されていあます。

湯西川平家の守護神 高房神社、湯殿山神社

湯西川温泉バス停から徒歩3分の高房神社は建久年間の創建と伝えられ、湯西川平家一門の守護神として祀られてきた古社。平家の里入り口の木立に囲まれた塚は、別名大将塚ともいい、落人が鎧や兜など平家の証拠となるものを埋めたという平家塚です。国際観光ホテル前バス停から徒歩3分の湯殿山神社は、出羽三山のひとつ湯殿山の土を移して天正年間に創建された湯西川の総鎮守です。

昔ながらの製法にこだわる老舗の手打ちそば処 志おや

湯西川温泉バス停から徒歩4分にある平家そば志おやは、昔ながらの製法にこだわり、創業50年を超える湯西川でも老舗の手打ちそば店です。自家製粉のそば粉を使い、昔ながらの製法で打たれたそばは太めで、コシが強いのが特徴です。

民家をそのまま店舗にしているので、田舎のおばあちゃんの家のような、とてもくつろいだ雰囲気の店です。黒くて短い田舎そばは、もっそりとした食感で、つゆは辛め。名物の平家そばは、湯西川産の山菜やキノコなど山の幸がどっさり入った人気メニューとなっています。

昭和初期から続く老舗 会津屋豆腐店

湯西川温泉バス停から徒歩3分の茅葺き屋根の民家が並ぶ平家落人の里のうちの1軒の会津屋豆腐店。昭和初期の創業で、旅館などにも卸している、湯西川温泉で人気のお豆腐屋さん。毎日、早朝から作られる木綿豆腐は、湯西川の水と大豆、それに天然にがりを使用しているためか、しっかりしていて懐かしい味わい。お土産におすすめですが、店内でも味わえ、冬なら湯豆腐で酒を一杯なんてのもありです。

湯西川ゆかりの酒を揃える 丸湯商店

湯西川温泉バス停から徒歩4分、湯西川温泉街の中心にある、蔵造りをイメージした店構えの丸湯商店。会津の酒蔵で造られた、湯西川ゆかりの名前のついた酒が取り揃えてあります。入荷するとすぐ売り切れてしまうほど人気の湯西川にごり酒をはじめ、平家とっくり、雪蛍純米吟醸、恋して候純米大吟醸などの日本酒を中心に、しゃれたぐい呑みや器、箸なども置いてありますのでおみやげ探しには最適です。運が良ければにごり酒の試飲もさせてくれるみたいです。

湯西川の銘菓平家最中 ふる里本舗

山城グランドホテル前バス停からすぐにあるふる里本舗は、銘菓として湯西川温泉みやげの定番となっている平家最中を製造販売している菓子店です。平家最中は、裏に平家家紋のアゲハ蝶、表にその家紋の描かれた羽織を隠すために落人が使ったカタバミの葉の型が押されていて、ほっくりとした甘さ控えめの粒あんと、パリッとした皮のコンビネーションが、昔ながらの素朴な味わいを醸し出しています。

湯西川の特産物を販売している 山菜加工センター

伴久ホテル前バス停からすぐの山菜加工センターは、湯西川産の山菜やキノコをはじめとする特産物を加工販売している農事組合直営の物産店です。きゃらぶき漬け、わらび漬け、山うど漬けなどの漬物だけでなく、長寿味噌や花豆などいろいろあり、季節によって品揃えも変わります。特に人気のはちみつは、そば、栗、栃、レンゲなど種類が豊富です。湯西川温泉のおみやげにぜひ。

地元の人たちの共同浴場 薬師の湯

湯西川温泉の薬師の湯は温泉通なら一度はぜひ訪れたい、湯西川のほとりにある地元の人たちの共同浴場。石で四角く囲った湯船といった簡素な湯小屋はかつての湯治場風情の素朴さが残る。24時間利用でき、混浴で入浴料も寸志という所もベテラン向けかもしれない。

平家落人の宿として旅行客に人気 平家の庄

湯西川温泉ならではの田舎のおもてなしが受けられる温泉宿、平家の庄。昔懐かしい囲炉裏造りと土蔵造りの客室があり、どちらも風情たっぷり。源泉かけ流しの温泉は、風情あふれる石造りの「石単の湯」など20種類の風呂が自慢の湯めぐり茶屋、うち10ヶ所は貸切で楽しめる。

夕食は囲炉裏端で野趣あふれる平家陣笠料理を味わえる。自家製味噌に山椒の芽や野鳥の肉と骨をすりこんだ特製味噌べら、ばんだい餅など郷土色あふれる料理がたまらない。