令和7年度の宅地建物取引士試験(宅建)に2ヶ月半の独学で合格しました。
私は税理士試験の受験生でもあり、8月5日の税理士試験が終わった直後から宅建の勉強を開始しました。
勉強時間は約300時間。
宅建の勉強時間は300〜400時間ほどが目安とされているので、私はこの最低ラインで合格ということになります。
2ヶ月半(75日)で300時間とは、単純計算で1日4時間の勉強が必要ということです。
私は個人事業主なので、1日4時間くらいの捻出は難しくなかったですが、会社員の方では大変だと思います。
会社員の方が1日4時間を捻出する方法について、個人事業主の私が言っても説得力がないと思いますが、私なりに考えたので僭越ながら記事後半で共有いたします。
受験当時の私のスペックは以下の通りです。
| 関連資格 | FP2級に合格済 大学で民法の履修経験あり |
|---|---|
| 勉強期間 | 2ヶ月半 2025年8月5日〜10月18日 |
| 勉強時間 | 約300時間 |
| 受験結果 | 令和7年度:一発合格 |
宅建の勉強で使用した教材
私はTAC出版の教材を使用しました。
テキストと過去問題集は「みんなが欲しかった!」シリーズ、直前予想模試は「本試験をあてる」です。
いずれも必読の書籍だと思います。
| 教材名 | おすすめ度 |
|---|---|
| テキスト みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 | |
| 問題集 みんなが欲しかった! 宅建士の論点別過去問題集 | |
| 予想模試 本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士 | |
| ※リンク先はTAC出版公式サイトです。 | |
\宅建士試験専用ページ /
テキスト
本書は、宅建士受験用テキストの歴史を変える、「パッと見てわかるフルカラーテキスト」です。
出典:2026年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書|TAC出版
本書は図解が多く、文章での説明は最小限に抑えられている印象です。
初学者でも取っ付きやすく、まずは図解でイメージを掴みたい方におすすめのテキストです。
私は賃貸不動産経営管理士の試験も受験しており、その時はLECの「合格テキスト」シリーズを使用しました。
LECは文章が主体という印象で、よりアカデミックに、深く学びたい方におすすめです。
宅建士の場合は「出る順宅建士」シリーズがこれに該当します。
過去問題集
本書は、『宅建士の教科書』に準拠した受験対策用の問題集です。
出典:2026年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の論点別過去問題集|TAC出版
これまでの過去問から、「解いておきたい問題」約300問を厳選して収録しました。
分野別に3分冊した圧倒的に使いやすい問題集です!
本書は、厳選された過去問が論点別に収録されています。
宅建士試験は「過去問が命」と言われることもあるので、過去問演習は必須と言えるでしょう。
このほかに「宅建士の12年過去問題集」という書籍もありますが、こちらは論点別ではなく年度別に収録されています。本試験形式で勉強したい方はこちらの書籍もいいと思います。
直前予想模試
《厳選過去問》《オリジナル問題》による2種類の予想模試を全5回分収録。
出典:2025年度版 本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士|TAC出版
すべてが出題予想論点、しかも段階的にステップアップできるレベル構成。
出題可能性が高い論点の把握&現在の実力判定&得点力UPが、この1冊ですべて可能です。
直前予想模試は、出題可能性が高い論点を凝縮した1冊です。
直前期にどこを重点的に学習すればいいのか分からない方にとっての道標にもなり得るでしょう。
巻頭には、その年度に合わせた出題予想がまとめられています。ここは年度によって書かれている内容が異なっていると思うので、必ず最新年度の書籍を購入しましょう。
難易度は本試験レベルと言っても差し支えない問題が取り揃えられており、最終的にはここに掲載されているレベルの問題が解けなければ本試験で戦うのは難しいと思います。
また、本書には最新の統計情報が収録されています。統計問題は5問免除の中で例年1問は出題されており、最新の情報を学習することが必須です。こちらを勉強するのにも本書は非常に役立ちます。
8月から勉強を始めた私の学習量と独学のやり方
宅建試験は例年10月の第3日曜日に実施されます。
8月の第1月曜日から勉強を始めるなら、
勉強期間は11週間ということになります。
日数に換算すると76日間です(最終週の日曜日は本試験日なので1日引いてます)。
勉強時間を300時間と想定した場合、
1日4時間ほどの勉強が必要になります。
つまり、
1日4時間の勉強を目安にスケジュールを立てることが必要になります。
8月から勉強を始めて具体的にどれくらい勉強できるのか。
実際に私がやってきた学習量や独学のやり方について共有していきます。
教材別の学習量
まずは教材別にどれくらい勉強したのかを示します。
教材ごとの正確な勉強時間は測っていないですが、ざっくり以下のようなイメージでした。
| 教材 | 学習時間 | 周回数 |
|---|---|---|
| テキスト | 100時間 | 2周 |
| 過去問題集 | 150時間 | 2周 |
| 直前予想模試 | 50時間 | 2周 |
テキストの勉強時間
テキストは1周目と2周目で時間が異なり、1周目はとにかく時間がかかります。
1論点あたり1〜2時間ほどかかると想定した方がいいでしょう。
参考までに「みんなが欲しかった!宅建士の教科書」の科目別論点数を記載します。
| 科目 | 論点数 | |
|---|---|---|
| 宅建業法 | 11 | |
| 権利関係 | 21 | |
| 法令上の制限 | 7 | |
| 税その他 | 6 | |
| 参考:『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』無料立ち読み(pp.26-27) | ||
このように、全範囲で45個の論点があります。
学習範囲は論点ごとに異なりますが、1論点あたり1〜2時間(1.5時間)とした場合、1.5×45=67.5時間かかります。
2周目は少し時短できる想定でも、
合計100時間ほどかかると見積もっておいた方がいいでしょう。
過去問題集の勉強時間
過去問題集は最も時間がかかる教材です。
テキストを1周しただけでは解けない問題が意外と多く、4択の選択肢一つ一つを理解しながら勉強する方法をとった私の場合、1周するのに100時間ほどかかりました。
1周目の負荷は非常に大きかったですが、そのぶん理解が深まり、2周目からは比較的楽に進められました。
2周目でも分からなかった問題は3周、4周と繰り返し解きました。
2周目以降は時短できましたが、
合計150時間ほどかかったと思います。
過去問の進め方は人それぞれだと思うので、自分に合ったやり方を探しながら学習を進めるといいでしょう(私が実践した過去問の進め方は本章の後半で紹介しています)。
直前予想模試の勉強時間
直前予想模試は個人的に最も重要であり、最も時間がかからない教材です。
こう聞くとコスパ最強だと思うかもしれませんが、まさにその通りです。
直前予想模試はコスパ最強の教材だと思います。
模試は3回分しかなく、解くのに2時間、復習に3時間を3セットやるような感じです。これに加え、巻頭の出題予想論点などを5時間ほどかけてじっくり復習することで、1周するのに20時間というイメージです。
こちらも2周目で間違えた問題を3周、4周と繰り返し解き、巻頭の出題予想論点も2周しました(特に統計情報を重点的に)。
合計50時間ほどかかったと思います。
過去問題集を含め、試験前日までにすべての問題を解けるようになるのが理想です。
独学のやり方
「宅建業法→権利関係→法令上の制限・税その他」の順番で勉強しました。
具体的な勉強の進め方は、
「テキスト読み込み→過去問演習」の流れを各科目ごとに2周ずつしました。
まず宅建業法のテキストを読み込み、その後に過去問題集の宅建業法の部分をすべて解きました。次に権利関係、その次に法令上の制限・税その他の順番で取り組み、宅建業法と同じくテキスト→過去問演習の要領で進めています。
まずはテキストを一冊通読してから問題集に取り組む方もいますが、個人的には各科目ごとに区切って学習するのがいいと思います。なるべく早めに問題に取り掛かることで知識の定着が図りやすいからです。
テキスト学習の進め方
私は本書を2周しました。
1周目は、全体の概要の理解するイメージで読みました。1周目から本気で暗記するつもりで丁寧に読み込むと同時に、赤字や太字で書いてあることは、その前後の文章を含めノートに写経して覚えました。
宅建業法の35条書面と37条書面の記載事項、法令上の制限の用途地域など、箇条書きで書けそうなものは全部書いて覚えました。また、テキストの図解も読むだけでなく、自分で一度書いてみると暗記や理解が深まります。
2周目は、問題集を1周した後にやりました。1周目では見えなかった各論点の繋がりなども見え、全体的な理解が深まりました。
以降は問題集や予想模試で分からない部分が出てきたらテキストに戻って再学習という感じで使用しています。
ひとこと
私は「効率が悪くても、覚えられるやり方で勉強することが重要」という考えを持っています。
「書いて覚えるのは効率悪い」とよく言われますが、いくら効率が悪いとされているやり方でも、それが自分に合っているなら周りの意見を気にせずやるべきだと思います。
逆に言うと、
効率いいとされているやり方が暗記に必ずしも効果的とは言えません。
ここを疑うのも勉強においては非常に重要です。
ちなみに、マーカーで線を引いたり、書籍に書き込んだりなどはしていません。重要な部分は書籍で明示されているので、自分で変に解釈したり、重要な部分を決めつけてハイライトするのは危険だと思っていたからです。これは問題集や予想模試でも同様です。
過去問演習の進め方
過去問題集は2周しました。
1周目は、テキストで各論点を勉強した後にやりました。例えば、テキストで営業保証金(宅建業法)について一通り学習した後に、論点別問題集の営業保証金の箇所を解くという感じで進めていきました。
テキストと問題集はセットで進めると効率的だと思います。
「みんなが欲しかった!」シリーズは科目ごとに分冊されているので、私は宅建業法を勉強している時は、テキストと問題集から宅建業法の箇所のみ抜き取って持ち歩くなどしていました(権利関係、法令上の制限も同様です)。
ひとこと
4択すべてを理解するように勉強しましょう。
過去問演習は4択問題となるため、正解肢のみを確認したり、○×だけ確認して先に進む人もいると思います。
このような勉強方法は絶対にNGです。
正解肢のみを確認する勉強法をとった場合、正解肢の1択しか理解できず、他の3択はよく理解しないまま先に進むことになります。
今回は不正解肢として登場した問題も、次回は正解肢として登場する可能性も全然あり得るので、その問題がなぜ不正解肢だったのかを理解しないと次回も自信をもって回答できない恐れがあります。
○×のみを確認して次に進むのもいけません。今回は正解できたとしても、たまたま当たっていた、消去法で解いたという場合では、やはり次に同じような問題に出会ったら回答に悩むかもしれません。
その選択肢がなぜ正解なのか、または不正解なのか。
これを1択ずつ理解することが、どんな問われ方をされても正解に辿り着く思考力が身に付く勉強法だと思います。
過去問道場を使わなかった理由
宅建試験ドットコムの「宅建試験 過去問道場」は受験生の中で有名かつ人気の勉強サイトですが、私は過去問道場を使いませんでした。
その理由は、ネットに接続していると他のことに時間を使ってしまうからです。気づいたらSNSやYouTubeを開いていたり、宅建とは関係ないことを調べ始めたりするなどを懸念しました(実際、他の資格の勉強でこのような経験をしています)。
今の時代はYouTuberで宅建を学ぶこともできますが、同様の理由でYouTubeの動画教材も使っていません。
直前予想模試の進め方
直前予想模試は2周しました。
私はテキストと問題集を2周ずつ終えてから本書に取り掛かりましたが、
直前予想模試は早めに取り掛かるに越したことはないと思います。
その理由は、
出題される可能性が高い論点を重点的に学習することが合格の近道だと思うからです。
その出題可能性が高い論点を凝縮しているのが直前予想模試です。
過去問の焼き回しが多く出題される試験では過去問の周回でなんとかなる場合もありますが、宅建士試験はそのような勉強法が通用する試験ではありません。
つまり、
過去問だけに頼るのは危険で、模試で本試験レベルの色々なパターンの問題に触れないと本番での応用力が身に付かない恐れもあります。
ひとこと
模試を「最後の腕試し」的に使う必要はありません。
模試を「最後の腕試し」的に使う人もいると思いますが、個人的にはそのような使い方をする理由がないと思います。
要は、試験当日までに理解し解けるようになることが重要なので、最後まで腕試し用として取っておいても試験前日までに消化しきれず、理解も中途半端なまま当日を迎えてしまうリスクもあります。
そうならないためにも、答えを見ながらでもいいので早めに取り掛かることをおすすめします。
宅建を勉強するにあたっての注意点
宅建士試験は闇雲に勉強して合格できる試験ではありません。
テキストに時間をかけすぎないこと!
テキストは辞書代わりに使い、
過去問題集と直前予想模試をメインに進めることをおすすめします。
国語の勉強で国語辞典を丸暗記する人はいないように、テキストを丸暗記する必要はありません。
テキストは出題可能性が低い細かい論点も載っているので、そこを勉強するよりは出題可能性が高い論点を過去問と予想模試で分析し、そこを重点的に勉強する方が得点できる可能性は高まります。
本試験では重箱の隅をつつくような問題も出題されますが、そこは他の受験生も答えられない可能性があり、逆に他の受験生が答えられるところで失点する方が致命的です。
宅建士試験は1点が命取りになる試験。
他の受験生が得点してくる問題、
つまり頻出論点を絶対に答えられるようにすることを意識して学習しましょう。
消去法で解くのは危険!個数問題の増加から考えられる勉強法
宅建は4択で回答する試験なので、消去法を使って問題を解く方もいるかもしれません。
しかし、
消去法は非常に危険な解き方です。
令和7年度の試験では、宅建業法の個数問題が10問も出題されました。
個数問題とは「正しいものはいくつあるか。」「誤っているものはいくつあるか。」などで問われる問題形式です。
つまり、
選択肢一つ一つへの理解が問われているということです。
この問題形式では消去法は通用しません。4つの選択肢のうち1つでも分からない問題があれば運任せで答えるしかなくなるからです。
令和7年度の試験では宅建業法の個数問題が多かったですが、今後は権利関係、法令上の制限などで個数問題が増える可能性も考えられます。
すべての選択肢を理解するつもりで学習していくのがいいでしょう。
宅建の勉強を8月から始めて独学合格できる?
「できる」と明言したいところですが、
非常に難しくて厳しい戦いになることは覚悟しておいた方がいいでしょう。
本記事のまとめですが、
以下の条件を満たす方は2ヶ月半で合格できる可能性があると思います。
- 300時間以上の勉強時間を確保できる
- 効率を重視して勉強できる
- 絶対に合格する意思を持つ
2ヶ月で300時間とは、1日4時間ほどを勉強に費やす必要があります。
毎日4時間でなくても、週28時間と考えてもいいでしょう。例えば平日は2時間、土日は8時間とすれば28時間を確保できる計算になります。
効率については人それぞれのやり方があると思いますが、どうすればいいか迷っている方は本記事が参考になれば幸いです。
あとは何より「絶対に合格する!」という強い意思が大切です。
最後に精神論かよ…という感じですが、これは意外とバカにできません。実際、私も「絶対に合格する!」と毎日自分に言い聞かせて、2ヶ月半で300時間近く勉強して合格まで漕ぎ着けました。
これが1点をもぎり取る力となり、合格できれば自分自身への自信にも繋がる体験になると思います。
本記事がお役に立てば幸いです。
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参考文献











